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ものづくりノート

すたじおKoki'o(すたじおこきお)の仕事人、「のり」のブログへようこそ。グラフィックデザイナー、ハンドメイド洋服作家、初心者ウクレレの先生です。

Webマガジン「レアリゼ」
http://www.realiser.org/
編集後記より。

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見えない霞に覆われたような日々が続いている。世界が縮小している感触。
かつてこれに似た感触が生じたことがある。

それは、フランスに暮し始めたころ。語学学校とホストファミリーの家を往復する日々。テレビや雑誌などあらゆるメディアから遮断され、教室で交わす人工的な会話と、一人暮らしのマダムが一方的に喋りつつける意味不明のフランス語のなかで暮らしていた。

世界に関する情報は、ほとんど私の元へは届かなかった。数ヶ月経ったころ、私にとって世界とは、ホストファミリーの家と、教室と、その間を繋ぐ道と、その周辺だけであり、世界の縮小と共に、意識する自己自身のサイズもまた同じくらい極端に縮小していることを感じた。

世界とは世界に関する情報それ自体なのであり、同時に自己意識もまた世界に関する情報なのだと、そのときに実感した。情報が遮断されると共に、自己は縮小する。

それと似た感覚がある。会社を舞台に日々与えられる情報は、かつてないほどの量と、海外まで繋がる広さと備えており、毎日処理すべき情報量は常に増大し、情報処理と判断に関する自分の能力は、経験と共に少しずつ向上している。本来であれば、自己は増大していなければならないはずだ。

しかし、それを感じない。反対に、身を包む見えない霧は日々深くなり、自己が縮小している感触がある。なぜだろう?

答えは簡単だ。会社にいる自分が、自己意識と一致しないのだ。考えてみれば昔から皆が言っていることだった。会社にいる自分と自己意識を一致させること、それが起業するということ、なのだ。(三沢)
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これは、誰でも経験したことがあると思う。
自分の世界がどんどん縮小していく感覚。
世界は広いはずなのに、その世界を知るための窓が、どこへ行ってしまったのかわからなくなる感覚。

いつだったか、仕事の打合せの時に、ある企業の経営者が漏らした言葉がある。
「現状維持で行こうとすると、業績は縮小してしまうのです。常に現状を上回るように心がけて、ようやく現状維持が保てるのです」

ここで企業の「業績」を自己の「内面的充実」と置き換えて確認してみる。

自分を取り囲む世界だけで生きていないだろうか?
目や耳を閉じ、どんどん自分のスケールを縮めてしまってはいないだろうか?

これは、常日頃から自分自身で検証していくべきことだと思う。

さて、どうして私がこれらの言葉に心を動かされるのか。
それは長く、暗いスパイラルに落ちこんだ頃の、かつての自分がいるからだ。
もう二度と、あんなぞっとする体験だけはしたくないのだ。

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